=キング of ビースト=
俺たちが、どこに行っても人だかりができる。
最近は慣れてきて、まだましになったが、あいかわらず夜琉はヤバい。
夜琉が繁華街などを歩くと、すごい事になる。
だから俺たちはまだましなのだが。
メスブタを視界から外して紅雨に話かける。
「ハンカチの子に早く会いたいね。」
「うん。どんな子だろう?」
などと話していたら、一気にメスブタどもが静かになった。
それに気づき、メスブタに目をやると、校庭の真ん中あたりを見ている。
俺もそこに目を向けると、女の子のきれいな横顔が一瞬だけ見えた。
その子はそのまま後ろを向き、裏門に向かって行く。
一瞬しか横顔を見なかったが、とても綺麗で、茶髪を腰あたりまで伸ばしていて、気品があり、ゆっくりとした足取りで堂々と歩く姿はまるで猫のようで、気づけば俺は話しかけていた。