=キング of ビースト=



「俺のことは紅雨って言ってね♪」


と可愛らしく紅雨が言う。


「私のことは適当に呼んで。」


「ん~じゃあゆうゆうで♪」

すると由莉ちゃんは、目を丸くし

「ふふっ♪ステキなあだ名ありがと。」

と笑う。そこで俺は口をはさみ、

「由莉ちゃん1つ聞いていいかな?」

と尋ねる。

「答えられる内容だったらいいけど。」

と言ってくれたので、

「俺たちちょっと有名なんだけど、由莉ちゃん知ってる?」


と聞いてみた。だって気になるし。俺たちに対して媚び売らないし、俺はこの子も一応俺のこと知ってると思って、自分から名乗らなかった訳で。


この子が、俺から名乗れって言ったとき、俺たちのこと知らないかと思ったし。すると

「知ってる。 私だってバカじゃないから、噂だって嫌と言うほど聞く。」


と言って、

「なんで、そんなこと聞くわけ?」

と聞いてきた。すると紅雨が

「俺たちに、媚びうらない女が珍しいんだよ。」


と遠い目で、反射的に答える。するとその子は



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