=キング of ビースト=
イラッとした私は、夜琉を睨みつける。
だが夜琉はそれを気にする様子もなく聞く。
「那龍総長、長谷夜琉。あんたは?」
「金堂由莉。」
と私は小さく呟いた。
私は相手が先に名乗ったら自分の名前を教える。無論例外もあるが。
「由莉か、いい名だ。」
と言って『ふっ』と笑った夜琉を見て、不覚にも『ドキッ』としてしまった。
すると夜琉に腕を掴まれ
『来い。』
と言われた私は手を振り払おうとしたが、腕を見た瞬間に止めた。