=キング of ビースト=
車で待つこと5分。『ガチャ』と言う音と共に、夜琉さんが車を出た。
俺はわけが分からなくなっていると歓声が聞こえてきた。
ハッとして、車から降りようとしたが、夜琉さんが正門に寄りかかりタバコをだしたのを見て、俺は車に居ればいいことに気づいた。
夜琉さんがここまでする女。
「フッ。」
横目で夜琉さんを見ると、不機嫌な顔をして裏門の方に行き始めた。
自分の足で歩く夜琉さん。どんなに短い距離でも車を呼ぶことを考えれば有り得ない行動だ。
俺も裏門に行きたいが、勝手に車を動かすことができない為連絡を待った。