君の左手
掛けた相手は小学校から幼なじみの葵

親同士も仲が良くて小さい時からアユミの良き相談相手



〜プルルルッ〜


「もしもし、アユミ?!」

1コール鳴っただけで出てくれた……


葵も叔母さんから聞いたのかな?


心配そうな声に一度引いた涙が零れそうになる




『…ウッ…あ…おい…?』


言葉にならない声を絞り出し、何とか今の場所を説明した


家を飛び出してきたはいいけど此処は葵の家とは正反対の公園


迎えに行くと言う言葉に甘えて一人…待つ事になった








半分に欠けている月

肌を突き刺す冷たい風


泣いたせいか頭がガンガンと痛い



いつもだったらこんな時間に公園に来るのは怖いと思うのに

今は何故か1ミリも怖くない



むしろお父さんとお母さんが心配すればいい……なんて親不孝な事を考えていた



〜♪〜♪♪〜♪〜


今流行りの音楽が流れ、ディスプレイには

【お母さん】

の文字




さっきから何回も掛かってきてるせいで携帯の充電・・・残り1個だよ
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