君の左手

愛情

「…そっか……まこちゃんは……」


「…も……決…た………」








ぼーっとしている夢の中、アンちゃんとお兄ちゃんの声が聞こえる



内容はよくわからなかったけど深刻な声で

……やっぱり現実なんだと思った





目を開きたくない

このまま眠り続けていたいよ










「俺……養子に入るよ」











はっきりと聞こえたお兄ちゃんの言葉


養子に入るって何?






『……お兄ちゃん…アユミと兄弟じゃなくなる…の?』





体を起こし声のする方に振り返った



二人は顔を強張らせて明らかに動揺してる






家族が離れてくね……


壊れる時って、こんなにも簡単に崩れ落ちるんだ
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