君の左手
「お前さぁ…

携帯出る気ないなら音切っとけよ!
うるせー!」


ポケットを指差され、いきなり怒鳴られた





確かに……



静かな場所で鳴っていたらアユミだって煩いって思う


でも人が居るなんて知らなかったし



見知らぬ男に言われたくない




『…それが何?

あんたに関係ないじゃん』


視線を逸らして遠くを見つめる


少し風が吹いてるせいか、ブランコが不気味な音を起てていた




ハァっと溜息をついて隣に腰を下ろす



こんな夜遅くに…しかも公園で何やってたんだろ


勝手に隣に座るなよ……





「あんたさぁ、もっと警戒心持った方がいいよ


…仮にも俺だって見知らぬ男なんだから」



ちらっと横目で見ると目が合った


コイツ…―




何なの?
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