僕等がみた空の色







「……あっけ、なかった。」




即死。



誰かが言った。




死?

誰が!?






「手を見たら、真っ赤なの…アオの、血で。周りは白いのに、真っ赤で。」



むちゃくちゃに喋るあたしを、赤ん坊をあやすように藍が背中を優しくたたく。






「狂ったように泣き叫んだ。まだ信じられなくて、頭では理解できてないのに。」



本当はどこかで分かってた。

感じてた、本能で。



アオは死んだ。








「あたしのせいで。」



声が自然と低くなる。


手も震えているのに、この瞬間に体のどこかがスッと冷えた。












< 149 / 275 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop