僕等がみた空の色
「あたしが逃げ出さなかったら
そいつの言葉なんか無視してたら
コンクールに出なかったら
ピアノを弾いてなかったら
考えだしたらどんどんキリがなくなって
アオと出会わなかったら
………あたしが生まれてこなければ。」
藍の腕に力が入ったのが分かる。
「自分を責めて、そのときから泣けなくなった。」
悪いのはあたし。
そんなあたしが泣いたらダメだ。
「いつの間にか、泣きたくても泣けなくなってた。きっと、心のどこかで、ストッパーがかかったまんまなの。」
アオが笑えなくなったのも。
ピアノ弾けなくなったのも。
どんどん暗い奈落の底に落ちていくようだった。