僕等がみた空の色
藍が俯くあたしの頬にそっと手を触れた。
涙がつたっていることに初めて気づいた。
「…あたし、進めるかな…。」
「大丈夫。その時点でもう、前に進んでるから。」
藍があたしを抱き寄せる。
「無理しないでさ、思いっ切り泣けば。」
わざと突き放したその言い方に、なぜか安心して。
泣いた。
声をあげて泣き叫んだ。
この、3年分の溜め込んだ想いを吐き出すように。
「素直になればいいよ。いい子ぶるな。今、言いたいこと言っとけ。」
子供をあやすように背中を優しくたたくから、藍の背中にしがみついてずっと、ずっと、言いたくて、言えなくて。
そんな思いを口にした。
「……っ…、なんで…っ!なんであんなにあっけなかったの!?」
なんでもっと、足掻く時間さえ、なくて。
「あきらめつくものもつかないじゃんっ!苦しくて、哀しくて……!あたしが、どれだけっ……!!」
もっともっと、話したいこと。
やりたいこと。
あったのに。
「なんで、あたしのことばっかり大切にするの!?自分のことも考えてよぅ……っ!!」
なんで?
どうして?
この3年、そんな疑問符しか出てこなかった。
あまりにもあっけなさすぎて。
「約束、したのに、いっぱい。全部守れないんだよ?針千本のんでくれるわけ……!?」
ほんとはこうやって怒りたかった。
許してほしかったけど、それは間違いだと気づいて。
あたしを置いていったこと。
永遠を信じれなくなったこと。
理不尽かもしれない。
ただの我が儘だと思う。
それくらい
あなたはあたしにとって、
大切な人でした。