僕等がみた空の色
「…だから、あたしは前に進むの。」
忘れるんじゃないよ、一緒に、アオと一緒に歩き出すの。
あたしの涙が藍の制服に染み込んでく。
まるで、あたしの想いを掬い上げるように。
こぼれ落ちたりなんかしない。
ちゃんと心にあるから。
「……ありがと、藍。ごめんね、いろいろ……。」
みっともないとこばっかり見せてしまって、今更ながら恥ずかしくなった。
「全然?泣いてる六花もかわいいし。」
悪戯な笑みを浮かべてあたしの顔を覗きこむ。
「だ、だから…っ!そ、そゆことは、好きな人とかにしか言ったらダメ!勘違いされちゃうから!」
さっきのシリアスモードはどこへいったんだ。
藍から離れようとして、腕を伸ばして思い切り藍の胸を押した。
「ん?」
……が、離れられない。
「は、離してよっ!」
あたしの腰にはしっかりと藍の腕が回っていて、男の力にかなうはずもなかった。
「噛んだ。照れ隠し?」
ニヤッと笑うと顔を近づけてきた。
いくら暗くても、こんな至近距離だったら顔赤いのバレちゃうよっ!
「いいんだよ、俺、六花のこと好きだから。」
そう言って、藍はあたしのおでこに優しくキスをした。