僕等がみた空の色
だから泣きそうになった。
誰かの愛情がこんなにも嬉しいなんて思わなかった。
「わたしたちは、迷惑だなんて思ったことない。子供を親が守るのは当たり前なんだ。」
「誰も悪くないの。…でも、逆に六花を追い詰めてたこと、後悔してるわ。」
あれは、ママの優しさだったのに。
あたしは頭を横に振った。
「それだけ苦しめてたんだ…。だから今日から約束して。」
二人をしっかり見据えて口を開く。
「もう気を遣わないで。悪いことは悪いって言って。」
次から次へと言葉が出る。
ママにピアノを弾いてほしい。
ピアノ教室ももう一度開いてほしい。
ご近所さんからも催促されているの、知ってる。
そういったことすべてから遠ざけなくたって、あたしはもう大丈夫だから。
休日の日には趣味に没頭して。
パパが好きなことできないのはあたしもつらいから。
堰を切ったように溢れる要求。
お互い気を遣って言えなかったから。
確かに追い詰められてたことはあった。
でもそれが愛情だから、何も言えなかった。
もっと、普通にしたいの。