僕等がみた空の色
目を見合わせて微笑み合ったのはいつ以来だろう。
安心したら涙が滲んだ。
すると藍があたしの頭をぽんぽん、と優しく叩いた。
二人で笑みを交わしていたらパパが口を開いた。
「ところで、藍くん…。」
それで藍は話の内容を悟ったらしい。
顔つきが強張り、あたしはその冷え切った瞳にぞくり、とした。
あたしは聞いちゃいけないと、直感で悟って席を立った。
ほんとは聞きたいけど。
気になって気になってやきもきしてるけど。
だからって聞いていい内容だとは思わなかったから。
藍が話すって言ってくれるまで我慢する。
…って決めたのに。
「六花、どこ行くんだ?」
…パパ、空気読んで!!
「いやー、あの、ほら。」
突っ立ったままあはは、と乾いた笑いでごまかそうとしていたら、手に何かが触れた。
「いいよ、聞いてて。」
藍の冷たい手があたしの指を握ってた。
赤ちゃんが縋るみたいで、藍が頼りなく感じて、不安になった。
あたしがいなくなったら壊れてしまうようで。