僕等がみた空の色





しかも何あっさり暴露してるんだってうろんげに汐を見ると、あの愛らしい極上の笑顔で言った。




『いいじゃない、もう弾けるんでしょ?コンクールとかじゃないんだし。それにこのクラスじゃ六花ちゃんしか弾けないの。』



自分だって弾けるじゃん!


と反論したところ、六花ちゃんほどじゃないよ〜と交わされた。





だからあたしは藍に怒っているのだ。







「……まだ怒ってんの、六花?」



沈黙は肯定。


あたしはピアノを前に座ったまま、足をぶらぶらさせて不機嫌さをアピールした。


当の元凶、またの名を藍は、バイオリンの手入れをしている。

なんかよく分かんないけど、塗ったりしてる。





「……当たり前じゃん。勝手に推薦して、取り消そうと思ってももう手遅れだっていうし。」


なんだって生徒会の人間はあんなに期限に忠実なのだ。
一分だって一秒だって待ってはくれない。



「いいきっかけじゃん。ほら、有難迷惑ってやつ。あ、大きなお世話?」


「どっちでもいいわよ!」


振り向いて噛み付くように怒号を放つ。

こいつの飄々とした態度が鼻につく。






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