僕等がみた空の色
――――12月24日
鮮やかなイルミネーションの下で自分を呼び出した人物を待つ。
自分から誘っといて、遅刻するなんて。
すでに何回目かのため息を、時計を見ながらもう一度ついたとき。
「六花!」
黒のトレンチコートをはためかせ、待ち人は小走りでやってきた。
「もう、やっと来た」
呆れながら言うと、ははっと笑って一言謝る。
「ごめんな、待たせた」
本来わたしより4つも年上なのに、そうやって笑って謝る姿がいつも幼くて許してしまう。
適度にいじられたダークブラウンの髪に右耳だけの小さなシルバーのピアス。
いい加減に見えない程度のおしゃれをしている彼は、みだしなみの面で社会人としても好感がもてる。
本人には、調子にのるから絶対言わないけど。
思えば、今より髪色が派手だった以外は学生のときから変わらないかもしれない。
出会ったときから、モテてたなぁ。
気づかずに星羅(せいら)くんの顔をじーっと見ていたら、彼がいつものようにおどけて言った。
「なに、見とれてんの?」
そんな彼に呆れてため息をつく。