僕等がみた空の色
「なぁ、楠。やっぱ具合悪いんだろ?」
保健室連れてくから、行こうぜと、この台詞も何回目だろう。
――…終業式が終わって体育館からの帰り道。
外を見ると相変わらず雲は厚く、むしろ余計に暗くなった気がして落ち込んでただけなのに。
ため息をついたところをまたこいつに見られてしまった。
それからずっと言ってる。
違うと言っても『強がるな』
治ったと嘘ついても『無理はダメ』
もうわけわかんない。
こうしてため息をつくとまたさっきと同じ台詞を横から言う。
教室に帰ってきて、最後にHRをしたら解散なのに、先生はまた遅刻。
だから結城はこうしてあたしに話しかけるんだ。
こういうの、なんていうんだっけ……。