僕等がみた空の色
第6楽章 星が瞬く。
一時間目がもうすぐ始まるというとき、微妙な残り時間にすることもなく、あたしは机に片肘ついてぼけーっとしていた。
汐は新学期早々、欠席らしい。
こたつで爆睡したのが祟って熱が出たんだとか。
冬休みが明けたって何も変わらない。
年をまたいだだけで、世界はいっぺんに変わらない。
「おはよ、楠」
声がした方向に首をめぐらすと、隣の席に結城がかばんを置いてこちらを見ていたが、あたしは視線だけくれてやって無視した。
「……あれ、おーい」
結城の呼びかけにも無視を決め込む。
あの日以来結城に対しての評価が変わった。
うざい、に。
最初はこんなだと思わなかった。
最初は、もっと………。
「ごめんなさい!」