僕等がみた空の色
星羅くんは優しい。
今日だって無理矢理スケジュールを空けて来てくれたにちがいない。
あたしが、余計なことを考えなくてすむように。
あたしが、哀しむと思って。
「とりあえずどっかカフェでも入ろうぜ」
寒そうに肩を竦めて、ポケットに手を突っ込んだまま手招きをしてそう言う星羅くんの背中に着いて行く。
―――クリスマスは嫌い。
みんな楽しそうに浮かれてるから。
泣きたくなるくらい、思い出すから。
ねぇ、あたしはいつまで待てばいいのかな?
目の前が涙で滲んだ。
慌ててコートの袖で拭う。
泣かないって、決めたのに。
「六花?」
いつの間にか立ち止まってたみたい。
星羅くんの声にはっとなって、慌てて後を追う。