僕等がみた空の色
「いつから、何を見てたの?」
興奮する汐をよそに、冷静に対処しようとするが、頭の中はぐっちゃぐっちゃだ。
冷や汗が背中を伝う。
「二人が、塔に入っていくとこ…。」
いまだ疑う眼差しで問う。
あたしとあいつの間に何かがあると信じて疑っていないようだ。
珍しくあたしが先に帰ってて、て言ったあと、結城もいつもの仲間に先に帰るよう言っていたのを見て、怪しく思ったらしい。
朝のことがあって、もしかして、と思い結城の後をつけると、東の塔なんて奇妙な場所にたどり着いた揚げ句、あたしと結城が中に入るのを見たらしい。
「あたしもこっそり中に入ろうとしたんだけど、最終下校になっちゃって見回りの先生につまみだされたから。」
悔しそうに言う汐の言葉に目眩がした。
突拍子のないことをするのには、何年経っても慣れない…。
さて…、と汐の眉が上がる。
あたしの番が回ってきたらしい。
詳しく聞かせろと目が言っている。