僕等がみた空の色
第9楽章 触れた、手。
「六花、どこ行くの!?」
玄関で靴をはいていると、ママが慌ててリビングから出てきた。
「ちょっと、学校行ってくる。……忘れ物、しちゃって。」
嘘が少し心苦しかった。
「それなら、明日でいいじゃない。危ないわよ。」
心配はかけたくない。
ママの言ってることは正しい。
でも………
「明日じゃダメなの!今、行かなきゃ…っ!」
ドアを乱暴に閉めると同時に言い捨てた。
そう、今しかないから。