僕等がみた空の色





学校の門は案の定閉まっていたが、なんとか乗り越えた。



グラウンドを突っ切って東の塔に向かう。

途中、何度も小さな物音に驚いて泣きそうになった。

林からは不気味な音が聞こえて、ここまで来て帰りたくなった。




窓から光は漏れていない。

やっぱり、いないのかな……。



落胆しながら、せっかくここまで来たんだし、と思ってなんとなくドアノブに手をかけた。



すると、ドアノブはすんなり回り、がちゃりと音を立ててドアが開いた。




まさか、いるの?



また走った。

階段を二段飛ばしで駆け上がる。



お願い、あたしに嘘つかないで……。








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