僕等がみた空の色





はぁ……っ


息を切らしてたどり着いた最上階。

やっぱり真っ暗だったけど、月明かりが照らしてくれた。



でも、部屋はがらんとしていて、人の気配はまるで感じられなかった。



「…なんでいないのよぅ……っ!」



こんなとき、泣けたらいいのに。



でも泣けない。



あのとき泣きすぎて涙が枯れてしまったんだ。



きっと、壊れてしまったんだと思う。


ショックが大きすぎて、かな?

精神的なものだと分かってる。



泣けないことがこんなにつらいなんて、思わなかった。








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