僕等がみた空の色






息を吐きながらうずくまる。


いつかみたいに膝を抱えこんで。


耳元で、くくってない髪がすべり落ちる音がする。



何かしようと思ったわけじゃなくて、むしろすることがないから座り込んだ。



間違っても、部屋の中央に鎮座するピアノには触れたくないから。




どのくらいそうしてたかな……。





「……?」





かすかに、音が聞こえた。





顔を上げてもう一度聞こうと耳を澄ます。




やっぱり、聞こえる……。


どこから?


今度は立ち上がって一番音が聞こえる窓に近づいた。








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