僕等がみた空の色
「…来てくれたんだ。」
屈託なくふわりと微笑むから、間違いなく結城だと思った。
あたしがちゃんと立てると分かると、さりげなく手を離した。
腕の掴まれたところが、熱を持っているのが分かる。
「……あ、たし、は。」
素直にうん、と言えなくて、言葉につまる。
俯いたら、結城が私服であることに気づいた。
やっぱり学校は休んだらしい。
わざわざ、来たんだ。
「俺、待ってたよ、楠のこと。」
顔を上げれば、やっぱりあの笑顔で。