僕等がみた空の色
「分かってる。…あ、それと、」
帰りかけた足を止めて言葉を続ける。
「らん、て呼んでよ。俺、この名字あんま好きじゃないからさ。」
名字……。
「あっ!」
今更気づいた。
「あたし、呼び捨て……!」
つい、結城、と呼んでいた。
学校では気をつけて結城くん、て呼んでたのに。
本性見えたり……て感じ?
青ざめるあたしに、結城は……、藍、は、また笑って言う。
「いいよ、別に嫌じゃない。でも、名前のが好きだから。」