僕等がみた空の色
「……分かった。でも、あたしのことも、りっか、て呼んで。」
あたしは名前、むしろ嫌いだけど……。
あたしの呟きはきっと聞こえた。
一瞬、嫌な沈黙があったから。
それでも名前で呼んで欲しかったのは、あたしだけ呼び捨てとか、なんか割に合わないと思ったから。
「うん、じゃあ六花、また明日。」
「ばいばい、藍。」
お互い手を軽く振って別れた。
しばらく、寒そうな藍の背中を見送って、マフラーくらい貸せば良かったと軽く後悔をして家に入った。
てゆーか……
「帰り道、逆方向じゃんか……。」
ママの心配したんだから、という小言を無視して、少し温かくなった心を意識しないようにした。