天使と吸血鬼
「お前の体と1つになると、
俺の魔力は戻るんだ。」

「だから私が死ねば、
貴方は死んでしまうのね。」

「ああ。
けどお前が普通に死ねる
訳は無いんだぞ。」

悪魔は私にナイフを渡した。
動けなかった私の体は、
ナイフを持って自分の腕を、
切りつけた。

すると、血は流れたが、
直ぐに止まり直った。
血は真っ赤ではなく、
紫色だった事に驚いた。

「見たか?
お前は自分の体を傷付けたり、
飛び降りたりしても、
傷は治ってしまうんだ。」

悪魔は笑っていたが、
私の心は泣いていた。

やはり天使が持っている、
聖者の剣しか死ねない。

< 103 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop