天使と吸血鬼
「ごめんね。
引越しをしたんだ。
家族が新しい家を
見つけてきたんだ。」

「そう。よかった。」

彼女は私が吸血鬼とは
知らないはずだ。
何故か彼女の血を
吸いたいとは思わない。

他の人間は吸いたい欲望を
押えているけど、
彼女だけにはならない。

「遊びに行ってもいい?」

「無理なんだ。」

「どうして?」

「兄がいるから。」

「そっか。ごめん。」

彼女は寂しいそうな顔を
して俯いてしまった。

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