天使と吸血鬼
すると、先生の右手から、
半分に割れた水晶が、
転がって私は手に取った。

「おお。半分に割れた
水晶じゃないか。」

「エリカ・・」

「今から天上界に行く。
お前の命はまだ奪わない。」

悪魔様はそう言って、
呪文を唱えると、
私は紫色のドレスに変わって、
髪の毛も紫色に変わった。

そして先生は、
背中から天使の羽が出てきた。
それは見事な真っ白で、
今すぐに飛べそうな大きな
羽であった。

「エリカ・・悪魔に、
騙されている。

お前の・・親は・・、
天使界に・・逃げている・・」

「嘘!!」

「エリカ。
お前はブルーに騙されている。
あいつの言う事は信用するな。」

「エリカ!!!」

先生は大声を上げて、
私に訴えてきたが、
悪魔が呪文を唱えると、
先生は呻き声を上げた。
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