天使と吸血鬼

恋煩い

私は最近おかしい。
自分で言うのもおかしいけど、
心の中が苦しい。

特に天童先生の授業とか、
先生と話す時は特に、
胸が苦しくなる。

魔界に居た時は、
感じられなかった感触を
私は苦しい。

昼休み。
楓と一緒に過ごしていると、
天童先生が歩いている。

「天童先生っていつ見ても、
格好いいよね。

あの先生の恋人は、
やっぱり美人だろうね。」

「恋人って？」

「好きな人に決まって
いるじゃないの。」

「好きな人・・・。」

私はジュースを飲みながら、
先生の血はどんな味を
するのか知りたかった。

「とうとうエリカも、
先生のとりこになった？」

「分からない。」

「そう？」

楓は疑いの目を持って、
私を見つめてきた。