【番外編】あなたの隣で
「智也っ!!」
俺の姿を見つけて、嬉しさをにじませた顔で真っ白なドレスに身を包んだ彩に、俺はまっすぐ近づいた。
「慣れない格好だから危ないって。」
なるべく早く俺に近づこうと、重たそうなドレスを持ち上げて小走りで駆け寄る彼女に俺は手を伸ばした。
「えへへ。だって、智也のタキシード姿早く見たかったんだもん。
すごぉいっ、やっぱり智也はなに着ても似合うね♪」
フワリ、と優しく甘い香りが鼻をくすぐって、彩は俺が伸ばした腕をしっかり掴んでいた。
「智也と一緒にまたいられるなんて、幸せっ!!」
ピンクの柔らかい唇から見え隠れする白い歯から、彩の幸せさが表れていた。
「俺も幸せだよ。」