【番外編】あなたの隣で
「同級生らの協力もあって、記憶が戻った俺が、今ここにいます。
みんなのおかげで、俺も彩もここにいることができて、みんなのおかげで、俺たちはこの場にいることができます。
少しでもタイミングがずれていたら、俺はここにいることはありません。
本当にありがとうございます。
これが、俺たちの身におこったことです。
何度も現実から逃げようとしました。
けれど、いつも心のどこかに彩の存在を感じていきました。
だからこそ、こうして彩のそばにいることができるんです。」
会場にいた人たちが涙ぐんでいた。
翼は化粧のことなんて、すっかり忘れて涙をながし、いつもクールな真紀も今回は観念したように泣いている。