甘い声で、癒されて
「はあ・・・」
優くんは、そうため息をすると、ついてきて、と言った。
「ぎゃあ!今の録音したかったあ・・・!」
「うるさいつってんだけど」
ギロリと睨まれ、口を手で塞ぐ。
優くんは、ここに座って、と言った。
場所は、誰もいない、3校舎のベンチ。
ここの学校は、2校舎あって、その内の2校舎は、1年生と2年生で使っている。
けれど、3校舎は、誰も使っていない。
使うと言っても、雨の日に運動部が使うぐらいだ。
「ん、座ったよ」
「手、見せて」
言うとおりに、手を優くんに見せる。