甘い声で、癒されて
「ぎゃああああ!!しみるしみるしみる!!」
「うるさいって」
「いやいやいや!!痛いってば!!」
「菌が入るだろ。我慢しろ」
「いだああああ!!」
優くんは、ポケットから救急セットのようなものを取り出して、私の手に消毒液を垂らした。
あまりにも痛かったので、叫んでいると、優くんの顔が私の耳までやってきた。
「ちょっと、静かにしてて?」
顔から火が出るほど、赤くなった。
ア ツ イ 、ア ツ イ、ア ツ イ 。
本当に、耳が溶けそうな勢いだった。
顔をうつぶせて、赤くなった頬を見せないようにする。
一瞬、優くんの顔が見えた。
長い前髪から見える顔は、とっても格好良かった。
けれど、ニヤリと、面白そうに笑っている。