ピアノ×歌

うろたえるお手伝い。

それは、そうだ。
父は君に私を24時間監視せよ、と命令しているのだからね。

君が新人である以上、父は今日の監視で君のレベルを決める。

前のヤツはうまかったよ。
私との駆け引きがね。

何も動じず、何も考えず。

しゃべる機械、ロボットのようだったよ。


それに比べ、君は少々人間味が強い。

だから、私は気が付いたんだ。
自分自身もロボットのようだと、ね。


「え、でも」

「いいんだ。私は自分の意思で出てきたのだしね。」

相変わらず心配そうに見える彼女が幼く見える。

私はにこりと笑った。

いつ以来だろう。
自然と笑ったのは。

< 4 / 37 >

この作品をシェア

pagetop