Devil†Story
―朝方―


刹「おかえり。クロム。随分かかったね」


いつも通り刹那が迎えた。

ク「…あぁ。色々あってな。まぁ、後で説明する。先にシャワー浴びてくる」


見るとクロムは血塗れ。


刹「…クロム。ちゃんと傷小さくしたよね?」


刹那が怪訝そうに伺う。


ク「…それは抜かりない。だが、詳しい事は後でにしてくれ」


クロムはそれだけ言うと自室に戻った。


その途中の廊下で「クロムっ…」と呼ぶ声が聞こえた。


その声に、クロムは後ろを向く。


ク「…稀琉」


そこに居たのは稀琉だった。


目の下には隈があった。


きっと寝れなかったのだろう。


稀「輝太…殺した…の?」

ク「あぁ。当たり前だろ。その為に行ったんだからな」


稀「そう……。苦しそう…だった?」


ク「いや…そうでもなさそうだった。すぐ死ねたからな」


稀「そっか……。なら…良かった……。じゃあ…ゆっくり休んでね…」


「おやすみ、クロム…」そう呟き自室の方へ歩いて行く稀琉。


ク「……」


クロムは少し稀琉の後ろ姿を見てから口を開いた。


ク「…輝太が“ありがとう”だとよ」


稀「!」


稀琉は足を止めた。


そして……


稀「ッ……!」


涙を流した。
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