Devil†Story
―麗弥 SIDE―
「あっ来たね。急に悪いね〜」
そう言ってニコニコと笑っている刹那を見て嫌な予感がした。
「ううん。平気だよ。それでどうかしたの?」
「潜入任務?」と首を傾げる稀琉。
…ほんまは稀琉は仕草がおっとりとしてるっていうか女の子みたいっていうか…。
それでいて稀琉は手先が器用でお菓子作りや裁縫も得意であった。声も少し高めで顔も中性的かつ童顔で自分と同い年だが幼く見える上に目は大きくパッチリしている。流石に身長はそれなりに高いがそれでも俺たちの中では小さい方なので可愛い系であることには間違いなかった。
「オトメンってほんまに居るんやなぁ…」
「「えっ?」」
思わず思っていた事が声に出た俺の言葉に2人が不思議そうにこちらを向いた。慌てて訂正に入る。
「あーいや!なんでもあらへん。アハハ〜」
…とりあえず笑って誤魔化しとけ!精神で乗り切ろうと思います。はい。
「もしかしてまたオレのこと"女子力高い"とか思ってたりしない〜?」
「ふぇ!?そ、そんなことあらへんよ!」
まるで心を見透かされたような稀琉の言葉に思わず変な声が出る。以前そう言った時に怒られたことがあった。可愛いものは好きみたいなのだがあくまで自分は男と思っている(当たり前だが)稀琉にとって言われたくない言葉らしい。
「本当かな〜?怪しいんだけど〜!」
「言っておくけどオレはある程度自分のことが出来るだけだよ!これは自立だからね!」と頬を膨らませる稀琉。まるでいつか読んだ漫画のヒロインと同じような行動に呆れてしまう。
…そういうとこやぞ。俺らの年齢でそんな可愛いことする野郎はいないんやで!そう思われたくないんならその仕草を変えるんや!
少し怒ってるはいるものの子犬みたいなパッチリとした目を見てると益々そう思ってしまう。半ば呆れ顔で唖然としている俺を見て稀琉は口を尖らせて言葉を続ける。
「それにオレはクロムみたいに女の子に間違えられたことないもん!」
…確かに見た目といえばクロムはそうだと思う。稀琉とはまた違う中性的な顔つきで長い髪を結っている。体付きも細身で厚みがある訳ではないのでぱっと見は女に見られることが多いのは事実だ。
先日も「また女に間違えられた。この身長で間違えるか普通。腹立つ」とロスに話していたのをたまたま廊下で聞いてしまった。確かに身長は高めであるが美人系統なので身長が高くともモデルと思われる確率が高かった。しかし…しかしやで?クロムの場合は知らないだけかもしれへんがお菓子を作ったり可愛い仕草をするわけやないんよ。そもそも言葉遣いもめっちゃ悪いし(口を開けば「殺すぞ」がデフォルト)声は低音で紛れもなく男なんよ。
諸々総合的に見ればやはり女子力が高いのは稀琉やな、うん。
「ちょっと麗弥聞いてるの〜?」
頭の中で納得している俺の顔を稀琉が覗き込むのを見て再び現実世界へと帰ってくる。
「やっぱりそう思ってるんでしょ〜!?酷いよ〜!!」
「かっ、考えてへん!考えてへんよ!」
「麗弥。声、声裏返ってる」
大慌てで訂正する俺を遠い目をしながら指摘する刹那。このままでは稀琉のお説教タイムに突入してしまう。
「たったまたまや!それよか刹那。なんの用や!?」
「あぁ。そうだった」
刹那が紅茶に手を伸ばしながら言った。
…ふぅ。なんとか話題ずらせたわ。隣で稀琉がジト目で睨んでいるのは気にせんで⭐︎
「実はね。ちょっと2人に頼みたい事があるんだよ」
刹那の目が仕事の時と同じ鋭い目付きに変わった。俺と稀琉も身構える様にして刹那の言葉を待った。
「ここ最近さ君達の“裏”の仕事……減ったって感じない?」
試すような問いを投げかける刹那に最近のことを思い返す。
「そういえば…。最近は表の手伝いとかの方が多かった気がする」
稀琉の言う通り最近は暗殺とか殺人とかの血を見るような仕事はあんまりなかった。
「そーいやそうやなぁ…。何?最近減ったん?」
俺の問いに刹那は首を横に振った。
「いや?変わりないよ。寧ろ多いかな」
「…はっ?」
何?どうゆう事や?そう俺が聞く前に稀琉が聞いてくれた。
「えっ?どういう事?だったらなんで仕事ないの?」
その問いに刹那の眼光は更に鋭くなる。
「実は…全部クロムとロスに任せてたんだよ」
「クロムと…ロスに?」
稀琉が少し声のトーンを下げながら聞き返す。
「いやロスはクロムとセットだからね。正確には殆どクロムって感じなんだけどさ」
溜め息をつきながら刹那は答えた。
…ますます意味が分からない。
「それにしたってなんでクロムやロスにやらせてるん?」
刹那が更に少し声を低くさせて答える。
「……クロムさ。2ヶ月前のあの事件から少し様子が変わったんだよね」
「!」
稀琉はハッとして俺と刹那を交互に見た。それはそうだ。2ヶ月前のあの事件とは輝太の事件や……。
「…説明してくれるか?刹那」
そう聞くと刹那は頷き、1枚の写真を取り出した。
「…死体?」
写っていたのは刺し傷がある女の子の死体らしきものだった。
「あっ来たね。急に悪いね〜」
そう言ってニコニコと笑っている刹那を見て嫌な予感がした。
「ううん。平気だよ。それでどうかしたの?」
「潜入任務?」と首を傾げる稀琉。
…ほんまは稀琉は仕草がおっとりとしてるっていうか女の子みたいっていうか…。
それでいて稀琉は手先が器用でお菓子作りや裁縫も得意であった。声も少し高めで顔も中性的かつ童顔で自分と同い年だが幼く見える上に目は大きくパッチリしている。流石に身長はそれなりに高いがそれでも俺たちの中では小さい方なので可愛い系であることには間違いなかった。
「オトメンってほんまに居るんやなぁ…」
「「えっ?」」
思わず思っていた事が声に出た俺の言葉に2人が不思議そうにこちらを向いた。慌てて訂正に入る。
「あーいや!なんでもあらへん。アハハ〜」
…とりあえず笑って誤魔化しとけ!精神で乗り切ろうと思います。はい。
「もしかしてまたオレのこと"女子力高い"とか思ってたりしない〜?」
「ふぇ!?そ、そんなことあらへんよ!」
まるで心を見透かされたような稀琉の言葉に思わず変な声が出る。以前そう言った時に怒られたことがあった。可愛いものは好きみたいなのだがあくまで自分は男と思っている(当たり前だが)稀琉にとって言われたくない言葉らしい。
「本当かな〜?怪しいんだけど〜!」
「言っておくけどオレはある程度自分のことが出来るだけだよ!これは自立だからね!」と頬を膨らませる稀琉。まるでいつか読んだ漫画のヒロインと同じような行動に呆れてしまう。
…そういうとこやぞ。俺らの年齢でそんな可愛いことする野郎はいないんやで!そう思われたくないんならその仕草を変えるんや!
少し怒ってるはいるものの子犬みたいなパッチリとした目を見てると益々そう思ってしまう。半ば呆れ顔で唖然としている俺を見て稀琉は口を尖らせて言葉を続ける。
「それにオレはクロムみたいに女の子に間違えられたことないもん!」
…確かに見た目といえばクロムはそうだと思う。稀琉とはまた違う中性的な顔つきで長い髪を結っている。体付きも細身で厚みがある訳ではないのでぱっと見は女に見られることが多いのは事実だ。
先日も「また女に間違えられた。この身長で間違えるか普通。腹立つ」とロスに話していたのをたまたま廊下で聞いてしまった。確かに身長は高めであるが美人系統なので身長が高くともモデルと思われる確率が高かった。しかし…しかしやで?クロムの場合は知らないだけかもしれへんがお菓子を作ったり可愛い仕草をするわけやないんよ。そもそも言葉遣いもめっちゃ悪いし(口を開けば「殺すぞ」がデフォルト)声は低音で紛れもなく男なんよ。
諸々総合的に見ればやはり女子力が高いのは稀琉やな、うん。
「ちょっと麗弥聞いてるの〜?」
頭の中で納得している俺の顔を稀琉が覗き込むのを見て再び現実世界へと帰ってくる。
「やっぱりそう思ってるんでしょ〜!?酷いよ〜!!」
「かっ、考えてへん!考えてへんよ!」
「麗弥。声、声裏返ってる」
大慌てで訂正する俺を遠い目をしながら指摘する刹那。このままでは稀琉のお説教タイムに突入してしまう。
「たったまたまや!それよか刹那。なんの用や!?」
「あぁ。そうだった」
刹那が紅茶に手を伸ばしながら言った。
…ふぅ。なんとか話題ずらせたわ。隣で稀琉がジト目で睨んでいるのは気にせんで⭐︎
「実はね。ちょっと2人に頼みたい事があるんだよ」
刹那の目が仕事の時と同じ鋭い目付きに変わった。俺と稀琉も身構える様にして刹那の言葉を待った。
「ここ最近さ君達の“裏”の仕事……減ったって感じない?」
試すような問いを投げかける刹那に最近のことを思い返す。
「そういえば…。最近は表の手伝いとかの方が多かった気がする」
稀琉の言う通り最近は暗殺とか殺人とかの血を見るような仕事はあんまりなかった。
「そーいやそうやなぁ…。何?最近減ったん?」
俺の問いに刹那は首を横に振った。
「いや?変わりないよ。寧ろ多いかな」
「…はっ?」
何?どうゆう事や?そう俺が聞く前に稀琉が聞いてくれた。
「えっ?どういう事?だったらなんで仕事ないの?」
その問いに刹那の眼光は更に鋭くなる。
「実は…全部クロムとロスに任せてたんだよ」
「クロムと…ロスに?」
稀琉が少し声のトーンを下げながら聞き返す。
「いやロスはクロムとセットだからね。正確には殆どクロムって感じなんだけどさ」
溜め息をつきながら刹那は答えた。
…ますます意味が分からない。
「それにしたってなんでクロムやロスにやらせてるん?」
刹那が更に少し声を低くさせて答える。
「……クロムさ。2ヶ月前のあの事件から少し様子が変わったんだよね」
「!」
稀琉はハッとして俺と刹那を交互に見た。それはそうだ。2ヶ月前のあの事件とは輝太の事件や……。
「…説明してくれるか?刹那」
そう聞くと刹那は頷き、1枚の写真を取り出した。
「…死体?」
写っていたのは刺し傷がある女の子の死体らしきものだった。