やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】


「そんなに安くなるんですか?」



驚く私。



「ただし・・・この値段でやるんでしたら、本日中に決めていただかないと無理ですが。」



山本五郎が、申し訳なさそうに私を見る。



「・・・・・・・そうですか・・・・・・・・わかりました、お願いします。」



私は、さんざん迷った挙句、高級ソファーやコップなどの必要なものをすべて山本商事に頼むことに決めた。



「ありがとうございます。それでは、こちらにサインをお願い致します。」



山本五郎は、満面の笑みで私に契約書を差し出してきた。



「え~っと、ここですね。」



「はい。」



私は、名前を書いて印鑑を押した。



「それでは、こちらの口座に入金が確認でき次第、商品を納入させていただきます。」



山本五郎から口座番号を教えてもらった。



「わかりました。明日には、入金できると思いますので、よろしくお願い致します。」



私は丁寧に頭を下げる。



「それでは、失礼致します。」



山本五郎も丁寧に頭を下げて、帰っていった。



私は、山本五郎を店のドアまで見送り、姿が見えなくなったところで、やっと一安心のため息をついた。

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