やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
ガッシャ~ン!!!
飛び散る味噌汁、床に落ちて割れるお皿、ひっくり返ったテーブルの下敷きになるサブ。
私は、すぐさま、巻き込まれないように、台所から部屋へと逃げ込む。
「いい度胸じゃねぇ~か、ヒナタ!」
組長が、真木ヒナタに殴りかかる。
「カモ~ン、大和!」
喧嘩をする気満々の真木ヒナタ。
真木ヒナタは、味噌汁の入った鍋を持つと、それを組長へと投げつける。
しかし、組長は、華麗にその鍋をかわす。
運悪く、その時、ちょうど、トイレから出てきたポチ。
見事に、組長が避けた鍋が頭に直撃した。
カーンッ!
「クゥ~ン・・・・」
頭に何も入っていないような見事な音が鳴り響き、ポチがトイレの中に倒れこむ。
そんなことは、お構い無しに組長と真木ヒナタが、殴り合いを続けた。