やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「小夜~!大丈夫かぁ~!!!!」
男は、入ってくるなり、私の名前を叫ぶ。
そして、ステージ上に私の顔を確認して、止めに入った男達を殴り倒しながら、私の側まで走ってきた。
「小夜!!!怪我はないか?」
必死の形相の組長だった。
「・・・・・何してるんですか、組長?」
私が、驚いた表情で組長を見る。
「何って、小夜が攫われたってポチに電話があったって聞いたから、急いで助けに来たんだよ!・・・あれ、龍一とヒナタも、小夜を助けに来たのか?」
私の側にいた執事と真木ヒナタに気づいた組長。
執事と真木ヒナタに話しかける。
「・・・・・・・助けに来たわけではありませんが・・・・何か勘違いしていませんか?」
執事が、組長に言った。
「・・・・勘違い?」
組長が、意味のわからないという様な表情になる。