やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「大和、それどうしたんだよ?」
真木ヒナタが、組長に聞いた。
「いや~、今、ポケット探ってたら、2千円入ってた!」
うれしそうな組長。
(2千円でこれだけ喜べる組長って・・・・)
私は、少し組長が可哀相になる。
「ラーメン食いに行こうぜ、大和!」
「そうだな、ヒナタ!」
組長と真木ヒナタが、いきなりどこかに走りだした。
「ちょっと、待ってくださいよ~!アッシも連れてってくださいよ~!」
なぜか、今までいじめられていたポチも、組長と真木ヒナタを追いかけて、走り出した。
「・・・・・まったく、あの人達は、仲がいいんだか、悪いんだか・・・。」
「・・・・そうだよな・・・。」
私とサブは、呆れた表情でその姿を見つめていた。
「・・・私達も通りでタクシーでも拾って帰りましょうか?」
私は、いつまでも、葵の屋敷にいても仕方ないのでサブに言った。
「そうだな、帰ろう、小夜。」
私とサブは、通りまで出て、タクシーを拾って、サブのアパートまで帰っていった。