やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「いや、だから、飼えるものならですよ?」
真木ヒナタに念を押す私。
「それじゃ、入っておいで。」
組長が、台所の方に声を掛けた。
「パパ~」
台所から、5歳くらいの女の子が、部屋に入ってきて、組長に抱きついた。
「よしよし。」
組長は、デレデレした顔でその女の子の頭を撫でる。
「・・・・・・・・・パパって・・・・どういう事ですか?」
どういう表情を作っていいのかわからずに、無表情のまま、組長に尋ねる私。
「・・・・俺、パパになっちゃった。」
少し恥ずかしそうに言う組長。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・パパになっちゃったって・・・・」
私は、なんて言ったらいいのかわからずに、ただ、組長と女の子を呆然と見つめていた。