やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「意外といい人だったんですけどね・・・・残念です。・・・次、生まれてくる時は、せめて、変態だけは、直っていますように。」
しみじみとつぶやくサブ。
「・・・・・・何で、アッシ、もう死んだことになってるんですか?」
サブの言葉にポチは、疑問の声を上げる。
「それじゃ、バイバイ・・・ポチ。」
真木ヒナタが、拳銃を取り出して、ポチに突きつけた。
「ちょっと、スト~~~ップ!!!小夜姉さんも、止めてくださいよ~~~!!!」
本気で焦るポチ。
「・・・真木さん、ミナちゃんもいるんだから、拳銃なんか出しちゃいけませんよ。」
私は、真木ヒナタに言った。
「・・・それも、そうだな。・・・それにしても、ポチ、そんなに焦らなくても。冗談に決まってるだろ?」
真木ヒナタは、笑いながら、拳銃をしまう。
「・・・・・元暗殺者に拳銃突きつけられて、冗談って言われても・・・。」
サブが、ポチに同情の目を向けて、小声でつぶやく。
「なんだと、サブ?誰に向って、元暗殺者なんて言ってんだ?」
真木ヒナタの表情が、冷たく変わる。
サブも、その真木ヒナタの表情を見て、自分が言ってはいけないことを言ってしまったことに気がついた。