やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
執事は、屋敷の部屋の一室の前で止まった。
その部屋のドアの前には、他の部屋にはない、認証システムがあった。
執事は、右手を認証システムの上に乗せる。
すると、コンピューターの声で『確認完了致しました。どうぞ、お入りください。』と音声が流れた後に、部屋のドアが開いた。
「さあ、入りましょう。」
私は、執事にうながされて、部屋へと入っていく。
そこには、机の上にパソコンが一台置いてあるだけのシンプルな部屋だった。
「・・・ここは、何の部屋ですか?」
部屋に入り、キョロキョロしながら、尋ねる私。
しかし、いくら見渡しても、机とイスとパソコン以外、何もない。
「ここは、お金の管理をしている部屋です。」
執事は、イスに座って、パソコンを立ち上げながら言った。