やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
第6節:騒乱
ガッシャーン!!!!
もの凄い轟音と共に銀行の窓から1台の車が飛び込んできた。
キャー!!!
銀行の中の人達から、あまりの轟音に叫び声が上がる。
そして、車からは、白煙があがった。
「小夜~!どこだ~!」
車から降りてきた真木ヒナタが、叫ぶ。
「ここです。真木さん!」
私は、立ち上がり、真木ヒナタを見た。
すぐに真木ヒナタは、私の方へと走ってきた。
「よし!この混乱に乗じてみんなで一斉に飛び出すぞ!」
口早に真木ヒナタが言った。
「と、飛び出すんですか?」
「ああ、あと、銀行飛び出してから、もし、警察官に止められても、絶対に立ち止まらないで、混乱した様子で逃げ続けるんだ。」
真木ヒナタは、銀行内にいた全員を見渡しながら言う。
銀行内の人々は、真木ヒナタの言葉にうなずく。