やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「なるほど、さすが小夜。これを見越して、河童の川流れって言ったのか。」
橋のらんかんの上で納得する真木ヒナタ。
「いえ、さすがにこんな状況、想像するわけありませんよ。」
私は、真木ヒナタを見る。
そんな会話の間にもポチは、ドンブラコ、ドンブラコと下流へと流されていく。
「ところで、ポチさん、何で泳いでるの?」
どう見ても溺れているポチを橋の上から眺めながら、冷静に言うサブ。
「真木さん、また何かしたでしょ!」
私は、真木ヒナタを睨む。
「いや、俺が何か出来るわけないだろ?小夜達助けてたのに。」
即座に否定する真木ヒナタ。
「・・・・確かに、そうですよね。」
納得する私。
「ところで、助けないの、あの人?」
そこで、ミチが言った。
ミチの言葉にようやく助けるということを思い出した私達。
お互いに顔を見合わせる。
「私、無理ですよ。泳げなくはないですけど、得意ではありませんから。」
私は、手を横に振りながら言った。
「よし、それじゃ、サブ、行け!」
私の反応を見て、即座にサブを見る真木ヒナタ。