やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「・・・・ひ、酷い・・・死んだら、小夜姉さんだけ、恨んでやる・・・・。」
今にも泣きそうな顔で私を睨みつけるポチ。
「何で、私だけなんですか!」
私は、ポチを睨み返した。
「・・・いい度胸ですね、ポチさん。私の小夜さんを脅すとは・・・。」
ゆっくりと執事が、立ち上がり、ポチへと近づいていく。
「い、いや、その、冗談ですよ。冗談。ねっ、小夜姉さん?小夜姉さんからも何か言ってくださいよ!」
その執事の様子を見たポチが焦り、必死に言い訳をする。
「・・・・・私には、冗談には聞こえませんでした。」
私は、ポチを突き放す。
「そんなぁ~!・・・あっ、そうだ!アッシ、組長がどこにいるのか知ってますよ!殴ったら、組長がどこにいるのか忘れるかもしれませんよ!」
必死の形相で執事に訴えかけるポチ。
「・・・・・はぁ~、しょうがないですね。それでは、大和が、どこにいるのか教えてください。」
執事が、ため息をついて、再び、もと居た位置に戻って座った。
「ふぅ~・・・・それでは、アッシが、組長との男の友情劇を話させていただきます。」
ポチが、部屋にいる一同を見渡して、話し始める。
その話は、真木ヒナタと組長とポチが、私を助けるために銀行強盗をするところから始まった。