やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】


「・・・・ひ、酷い・・・死んだら、小夜姉さんだけ、恨んでやる・・・・。」



今にも泣きそうな顔で私を睨みつけるポチ。



「何で、私だけなんですか!」



私は、ポチを睨み返した。



「・・・いい度胸ですね、ポチさん。私の小夜さんを脅すとは・・・。」



ゆっくりと執事が、立ち上がり、ポチへと近づいていく。



「い、いや、その、冗談ですよ。冗談。ねっ、小夜姉さん?小夜姉さんからも何か言ってくださいよ!」



その執事の様子を見たポチが焦り、必死に言い訳をする。



「・・・・・私には、冗談には聞こえませんでした。」



私は、ポチを突き放す。



「そんなぁ~!・・・あっ、そうだ!アッシ、組長がどこにいるのか知ってますよ!殴ったら、組長がどこにいるのか忘れるかもしれませんよ!」



必死の形相で執事に訴えかけるポチ。



「・・・・・はぁ~、しょうがないですね。それでは、大和が、どこにいるのか教えてください。」



執事が、ため息をついて、再び、もと居た位置に戻って座った。



「ふぅ~・・・・それでは、アッシが、組長との男の友情劇を話させていただきます。」



ポチが、部屋にいる一同を見渡して、話し始める。



その話は、真木ヒナタと組長とポチが、私を助けるために銀行強盗をするところから始まった。



< 206 / 298 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop