やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
ポンポン
そんな組長の背中を悲しそうな表情でポチが軽く叩いた。
「んっ、どうしたんだ、ポチ?」
笑顔で振り返る組長。
「・・・・組長・・・・それじゃ、まるで本当に銀行強盗みたいですよ・・・。」
「・・・・そうなの?」
「そうなのじゃないですよ!静かにしろなんて叫んだら、本当の銀行強盗と変わらないじゃないですか!そんなこともわからないんですか!この天然組長!!」
我を忘れて叫ぶポチ。
「・・・・組長って・・・やくざ?・・・・やっぱり、銀行強盗じゃない!」
ポチが組長を責める言葉を聞いた人が叫ぶ。
そして、再び、銀行内は騒乱の渦に巻き込まれた。
「ポチ!!!!!!せっかく静かになってたのに!!!」
ポチを睨みつける組長。
「だから、銀行強盗みたいな行動とる組長が悪いんでしょ!!!!」
言い返すポチ。
その時、銀行の外から、パトカーの音が響いてきた。
見ると、銀行の外にパトカーが集まってきていた。
組長とポチの2人は、銀行の外を一瞬見て、お互い顔を見合わせる。
「・・・・・こういう時は・・・あれだな。」
組長が、ポチに言った。