やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「・・・・そ、それよりも、組長は?」
私は、執事に聞いた。
「・・・ちょっと待っておいてください。警察の知り合いに電話をして状況を尋ねてみますから。」
執事は、私達にそういい残して、台所に行って携帯電話を掛け始めた。
部屋に残された私達は、不安そうにしながら、執事が携帯電話を話し終わるのを待った。
5分ほどして、執事が、部屋に戻ってきた。
執事に注目する私達。
「・・・・とりあえず、今から私が警察署に行って来ます。」
私達を見渡しながら、執事が言った。
「く、組長は、ご無事だったんですか?」
私は、執事に聞いた。
「・・・まだ、無事かはわかりませんが、とりあえず、警察署に拘束されているということなんで行ってみます。」
「わ、私も一緒に行っていいですか?」
私は、立ち上がって執事に詰め寄った。
「・・・構いませんが、別に私ひとりでも大丈夫ですよ?」
「・・・・でも、組長が捕まったのって私が原因なんで・・・。」
私は、自分のせいで組長が捕まったので、罪悪感で一杯だった。