やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
ゴク。
「あっ、本当にちゃんとしたお茶だな。」
加藤刑事が、コップに口をつけて言った。
「ふふんっ、当然だろ。」
さらに勝ち誇る真木ヒナタ。
そして、私を真っ直ぐ見つめると、「で、小夜は?」と、ゴミを見るような目で見下す。
「う、ウグッ。」
言葉が出ない私。
「言葉がないなら、行動で示してもいいんだけどなぁ~。せっかく、俺様が、小夜程度の人間にお茶なんて高級なものを入れてきてやったんだから、飲んでみればいいじゃないか。」
この状況では、真木ヒナタの言葉に逆らえず、仕方なく、私は、真木ヒナタの入れてきたお茶を飲み始めた。
ゴクゴクゴク・・・んッ・・・ブハァ~!!!!
盛大に口に入れたお茶を吐き出す私。
「ばびぼびべだぶでずが?」
口の中がヒリヒリして、うまく舌を動かせない私。
まるで口の中が火事になってしまったような熱さを感じる。
「ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャハ、ざまぁミロ、小夜!これぞ、必殺、唐辛子地獄!」
真木ヒナタは、ポケットから小瓶を取り出し、私に見せた。
透明な手のひらサイズの小瓶の中には、無色の液体が入っているのが見て取れた。